あらかじめ計画を立てれば減らせる 贈与税節税対策/韓国の税務情報
あらかじめ計画を立てれば減らせる 贈与税節税対策
(出展:韓国国税庁公式ブログ 2021/11/16)
※韓国の税務・経済・法律情報から注目のトピックスをピックアップし、日本語に翻訳してお届けします
最近、贈与に対する関心が高まっています。税負担を減らすため早いうちに子供などに資産を贈与しようとする人々が多くなりました。2020年一年間で行われた贈与財産価額はなんと43兆ウォン(約4兆3000億円)を超えて話題になりました。計画的に贈与することによって節税効果がより大きくなる方法を国税庁がお知らせします!
贈与税を節約したいなら計画的な贈与を!
なぜ計画的な贈与が必要ですか?
今より10、20年後の財産の価値が上がる可能性が高いからです。贈与をせずに相続をする場合、贈与税を納付するより高い相続税が発生する可能性があります。
例えば、
大人の息子に1億2,000万ウォンの不動産を贈与
△ 子女控除 5,000万ウォン(注:韓国居住者の場合)
= 7,000万ウォンに対する贈与税の課税
× 税率10%
= 700万ウォン
△ 3ヶ月以内に自主申告時3%控除
ーーーーーー
納付すべき税金:679万ウォン
しかし、贈与をせずに20年後に父が亡くなられたと仮定しましょう。亡くなられた時、上記不動産の価値が上昇して不動産の価額が6億ウォンだとしますと、1億2,000万ウォンに対する贈与税より6億ウォンに対する相続税が高くなるのは明らかです。
もちろん、不動産の価額が20年後どのくらい増えるか減るか分かりませんし、現在の税率が20年後も変わらないとは言えません。
しかし、贈与をして10年以内に贈与者が死亡した場合、贈与した財産価額を相続財産価額に加算することになっていますが、この場合、相続財産価額に加算する贈与財産の価額は贈与当時の価額ですので、不動産や株式などを贈与した後、価格が上がった場合、相続税は大幅に節約できます。
10年間5,000万ウォン以下の生前贈与を!
もし相続財産が少なく納付する相続税がなければ、すでに納付した贈与税を払い戻すことはできません。損したと思われるかもしれません。このような場合には、贈与控除金額の範囲内で贈与すれば良いでしょう。家族間の贈与の場合、下表の金額まで控除することができます。(注:贈与を受ける人が韓国居住者の場合)
贈与者との関係 | 贈与財産控除限度額 (10年間合算して控除できる金額) |
---|---|
配偶者 | 6億ウォン |
直系尊属(ex. 母・父・祖母・祖父など、継母、継母を含む) | 大人 5,000万ウォン 未成年者 2,000万ウォン |
直系卑属(ex.息子・娘・孫・ひ孫など) | 5,000万ウォン |
その他の親族(6親等以内の血族及び 4親等以内の姻族) | 1,000万ウォン |
その他の者 | 0ウォン |
贈与者毎ではなく、贈与を受けた人を基準に、当該贈与日前10年以内に控除された金額と当該贈与価額から控除された金額を合わせた金額(10年間累積控除金額)ですので、贈与を考えているのであれば10年単位で計画を立てて贈与することが、長期的に贈与税及び相続税を節税に繋がります。
3ヶ月以内に申告すると3%控除
贈与を受けた日の末日から3ヶ月以内に贈与税を申告すると、納付税額の3%控除を受けることができます。したがって、贈与を行った場合、期限内に申告することで節税の効果が得られます。
一方、贈与税申告をしなかった場合には、納付税金の20%(または40%)、申告すべき金額に満たない金額を申告した場合には、納付税金の10%(または40%)に相当する加算税を納めなければなりません。納付すべき税金を納付しなかった場合、または未納額がある場合には、未納期間に1日0.025%かけた金額を追加で納めなければなりません。(注:2022年2月15日以降は、1日0.022%)
従って、節税のためには計画的に、誠実に納付しなければならないということを忘れてはいけません。
出典:韓国国税庁公式ブログ
(注)赤色の注書きは、国税庁公式ブログの記事原文を翻訳する際、日本経営ウィル税理士法人で書き加えた部分です。
日本経営ウィル税理士法人
韓国税務担当 顧問税理士 親泊伸明
韓国税務担当 李 榕濟(イ・ヨンゼ)
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